通信の帯域とクライアントの快適さ

大人数のサーバーでは、サーバーの計算だけでなく、回線の帯域と、参加する方の PC の描画も、快適さを左右します。
この資料では、通信の量が何で決まるか、どう測るか、クライアントの描画距離と設定、快適にプレイするための Mod を説明します。

設定の名前と既定の値は、2026 年 10 月時点の Minecraft Wiki、PaperMC と Velocity のドキュメント、minecraft.net の公式の発表によります。Mod のバージョンは、2026 年 10 月 25 日に Modrinth で確認したものです。

通信の量を決めるもの

プレイヤー 1 人あたりの通信の量について、公式の数字や、信頼できる実測の数字はありません。Web には「1 人あたり 1〜2 Mbps」のような目安が多くありますが、どれも根拠が示されていません。参加する人数とプレイの内容で大きく変わるため、企画と同じ条件で測ることをおすすめします。

何が通信の量を決めるかは、研究で分かっています。Minecraft のサーバーの性能を調べた研究 (Yardstick、2019 年) は、200 体のボットでの測定で、次のように報告しています。

  • サーバーから送るデータの量の 93% は、チャンク (地形) のデータ
  • パケットの数では、エンティティの位置の更新が約 45% を占める。数は多いが、1 つずつは小さい
  • 通信の量は、プレイヤーの数にほぼ比例して増える

つまり、通信の量を大きく増やすのは、プレイヤーがまだ受け取っていないチャンクを受け取るときです。参加した直後、テレポートした直後、エリトラで速く飛んで新しい場所に入り続けるときに、通信が増えます。

描画距離が 2 倍なら、送るチャンクは約 4 倍。
  1. 描画距離 6169 チャンク
  2. 描画距離 10441 チャンク
  3. 描画距離 12625 チャンク

プレイヤーを中心に、描画距離 (半径) の分だけ送る正方形の範囲のチャンクの数を、(2 × 描画距離 + 1)² で計算したものです。描画距離 10 は既定の値です。棒の長さは、チャンクの数に比例しています。

通信の量に関わる設定

設定場所既定内容
view-distanceserver.properties10描画距離。参加する方に送るワールドの範囲 (チャンクの半径)。通信の量にもっとも効く
network-compression-thresholdserver.properties256この大きさ (バイト) 以上のパケットを圧縮する。-1 で圧縮しない
compression-threshold・compression-levelvelocity.toml256・-1Velocity と参加する方の間の圧縮。-1 は zlib の標準の強さ (6)
player-max-chunk-send-ratepaper-global.yml751 人に 1 秒あたりに送るチャンクの数の上限
player-max-chunk-load-ratepaper-global.yml1001 人あたり 1 秒に読み込むチャンクの数の上限。生成の量も抑える
player-max-chunk-generate-ratepaper-global.yml-11 人あたり 1 秒に生成するチャンクの数の上限。-1 は上限なし
  • 圧縮: 圧縮すると通信の量は減るが、CPU を使う。Velocity は Linux の x86_64 と ARM64 で、zlib より約 2 倍速い libdeflate を使う
  • チャンクの送信の流れ: 1.20.2 から、クライアントが受け取れる量をサーバーに知らせ、サーバーは受け取りの確認を待ちながら送る
  • Paper の Anti-Xray: engine-mode: 3 は、参加のときの通信の量を約 2 分の 1 にできる場合があると、PaperMC のドキュメントは書いている

通信の量を測る

  • クライアント: デバッグの画面 (F3) に、受信の量と ping のグラフがある (23w32a 以降。F3 + 3 で表示)。企画の内容で動き回って、受信の量を確かめる
  • サーバー: サーバーの OS やクラウドの監視で、送信の量を時間ごとに記録する。人数と送信の量の関係が分かると、本番の人数での量を見積もれる
  • Cloudflare Spectrum を使う場合: Cloudflare Spectrum の分析で転送量を確認できる。Pro のプランの転送量 (製品のページでは月 5 GB) を超えるかの見積もりに使う (Cloudflare Spectrum での保護)

遅延と切断

  • Minecraft のサーバーは、プレイヤーの動きを最終的にサーバーが判断する。速すぎる動きは、サーバーが位置を戻す
  • 生存の確認 (Keep Alive): クライアントが 15 秒応答しないと、バニラのサーバーは切断する。クライアントは 20 秒確認が届かないと「Timed out」で切断する (Minecraft Wiki の通信の仕様の解説による)
  • Velocity: バックエンドサーバー (プロキシの先で、ワールドを動かすサーバー) への接続は 5 秒、バックエンドサーバーからのデータは 30 秒待つ (connection-timeout・read-timeout)

どの程度の遅延まで快適にプレイできるかについて、公式の目安はありません。参加する方の回線とサーバーの場所によって変わるため、サーバーは参加する方の多い地域の近くに置きます。

クライアントの描画距離

参加する方が、「ビデオ設定」で描画距離を大きくしても、サーバーの view-distance より遠くは見えません。バニラのクライアントは、サーバーから送られた範囲の外のチャンクを描画しないためです。

設定内容
描画距離2〜32 チャンク。32 にするには、1 GB 以上のメモリの割り当てが必要。「グラフィックス」の初期の値は「最高設定!」32、「描画優先」16、「処理優先」8
演算距離最小 5。同じ値の描画距離より、処理の負担が大きい
最大フレームレート既定 120
垂直同期既定で有効。画面のずれを防ぐが、操作の遅れが少し増える
グラフィックス「最高設定!」は、ノート PC や 4K の画面では大きく重くなることがある

配信する方は、ゲームと配信のソフトウェアを同じ PC で動かすため、普段より描画距離と品質を抑えると安定します。

動作環境と Vulkan への移行

Mojang は 2026 年 7 月に、Java 版の動作環境を公開しました。

項目最低推奨
目安1080p で 30 FPS (処理優先)1080p で 60 FPS (描画優先)
OSWindows 10 (64 ビット)、macOS 12 以降、Linux (64 ビット)Windows 11 (64 ビット)、macOS 14 以降、Linux (64 ビット)
メモリ8 GB (専用の GPU)、12 GB (CPU 内蔵の GPU)16 GB
CPUCore i3-10100、Ryzen 3 3100、Apple M1 など (物理コア 4 以上)Core i5-12400、Ryzen 5 5600、Apple M2 Pro など
GPUVulkan 1.3、ビデオメモリ 2 GB (GTX 950 など)RTX 2060 など、ビデオメモリ 6 GB
ストレージ2 GB4 GB

Java 版は、描画の仕組みを OpenGL から Vulkan に移しています。2026 年 2 月に移行が発表され、26.2 から Vulkan を試せる設定が加わり、26.4 のスナップショットでは Vulkan が既定になりました。安定したら OpenGL は削除される予定で、約 10 年以上前の GPU では動かなくなる場合があります。OpenGL を使う Mod も影響を受けます。

Java のバージョンも上がっています。26.1 からは Java 25 が必要です (公式のランチャーは、必要な Java を自動で用意します)。

快適にプレイするための Mod

Mod入れる場所内容 (2026 年 10 月 25 日時点)ページ
Sodiumクライアント描画の仕組みを置き換えて、フレームレートを大きく上げる。0.9.0 から Vulkan に試験的に対応。26.3 に対応Modrinth
Irisクライアントシェーダーを使えるようにする。Sodium が必要。26.3 に対応Modrinth
Lithiumどちらでもゲームの処理を軽くする。サーバーに入れても、参加する方は入れなくてよいModrinth
FerriteCore両方を推奨メモリの使用量を減らすModrinth
Distant Horizonsクライアント (サーバーは任意)描画距離の外を、簡略化した地形 (LOD) で遠くまで表示する。サーバーにも入れると、サーバーから地形を受け取れる。Paper 用の対応のプラグインもあるModrinth
Bobbyクライアント受け取ったチャンクを保存して、サーバーの描画距離より遠くまで表示するModrinth
ModernFix—性能とメモリの改善。26.1.2 までの対応で、26.2 以降のバージョンはまだないModrinth

クライアントだけの Mod は、サーバー側の対応がいらないため、Mod を使わない企画でも、参加する方が自分で入れられます。サーバーによってはルールで制限していることがあるため、企画のルールで、使ってよい Mod を案内します。Mod の安全な入れ方は、Mod とクライアントの安全で説明しています。

参考にした資料

回線とサーバーの見積もりは、KEY SELECT に

参加する人数と企画の内容から、回線と転送量、サーバーの台数を見積もり、Cloudflare のプランの選定まで、KEY SELECT がお引き受けできます。

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