大規模な運営の例

大勢が参加する Minecraft のサーバーの中には、構成や規模を公開しているものがあります。
この資料では、公開されている情報から分かる、それぞれの構成と、1 つのワールドに大勢が集まったときの限界、運営者たちが繰り返し述べている教訓をまとめます。

規模と構成は、各運営者の公式の発表、Guinness World Records、報道によります。日付は、それぞれの情報が公開された時点です。現在の構成は異なる場合があります。日本の大型の企画では、ドズル社ランドが参加の規模を公開しています。サーバーの構成まで公開しているものは、見つかりませんでした。

大規模なサーバー

ミニゲームと SkyBlock のサーバー

Hypixel: 75 台で、1,500 のサーバーを動かす

2017 年 7 月 7 日に、同時接続 64,533 人で、Minecraft のサーバーのネットワークとして Guinness 世界記録に認定されました。

2019 年の公式の開発ブログによると、当時は 75 台の大きなコンピューターで 1,500 の Minecraft のサーバーを動かし、それぞれが 10 のワールドを持っていました。同時接続 2 万人のときに、毎分 3,300 回の保存と 904 回の島の読み込みが行われ、島の数は 173 万、データの合計は 40.2 GB でした。

標準のワールドの保存の形式は、どこまでも続くワールドを前提にしていて、広さの決まった島には向かないため、独自の形式 (Slime) を作り、ワールドをディスクではなくメモリに読み込んでいます。保存先の仕組みでファイルの破損が続いたため、別のデータベースに移したことも公開しています。DDoS 攻撃への対策には、Cloudflare Spectrum の初期の導入先として紹介されています。

出典: Guinness World Records、Hypixel Dev Blog #5、Cloudflare

MMORPG のサーバー

Wynncraft: 1 つのワールドを 50 人までにする

開発者へのインタビューによると、1 つのワールドの人数を 50 人までにして、多くのワールドに分けています。ほかのワールドのプレイヤーも表示されるため、大勢がいるように見えます。

描画距離を 6 チャンクから 12 チャンクに上げるのに 8 か月かかり、チャンクの読み込みの仕組みも作り直しました。開発者は「仕事の 80% は最適化」と述べています。2022 年には、2.5 Tbps の DDoS 攻撃を Cloudflare が緩和したと報告されています。

出典: MMORPG.com、Cloudflare

クリエイターの大会

MC Championship (MCC): 40 人のクリエイターの大会

Noxcrew が主催する、40 人のクリエイター (4 人ずつ 10 チーム) が競う大会です。参加者それぞれが、自分の視点を YouTube や Twitch で配信します。サーバーの構成は公開されていません。

出典: Noxcrew

期間限定の有料のテーマパーク

ドズル社ランド: 毎年、5 日間だけ開くテーマパーク

Minecraft の実況で知られるドズル社 (株式会社ドズル) が、2022 年から毎年、5 日間の期間限定で開くテーマパークのサーバーです。アトラクションごとのワールドを巡ります。参加は Java 版だけで、入場料が必要です。

開催期間入場料Java 版
ドズル社ランド2022 年 3 月 23〜27 日880 円—
ドズル社ランド夏2022 年 8 月 24〜28 日1,650 円—
ドズル社ランド20232023 年 5 月 10〜14 日1,650 円1.19.2
ドズル社ランド2023冬2023 年 12 月 13〜17 日1,650 円1.20.1
ドズル社ランド20242024 年 8 月 28 日〜9 月 1 日1,650 円1.20.1
ドズル社ランド20252025 年 10 月 30 日〜11 月 3 日1,650 円1.20.1

入場料は 2022 年夏から税込の金額で、2022 年 3 月は告知に税の表記がありません。Java 版の「—」は、告知でバージョンを確認できなかった回です。2023 年冬からの 3 回は、同じバージョン (1.20.1) で開いています。

初回の 2022 年 3 月には、5 日間で 1.7 万件の総ログイン数を記録したと発表しています。2025 年は、本オープンの約 4 週間前にログインのテスト用のサーバーを公開し、チケットを先に購入した人向けのプレオープンと、配信者向けの日を経てから、本オープンしています。サーバーの構成と同時接続の人数は公開されていません。

出典: 株式会社ドズル (PR TIMES)、ドズル社 公式サイト (2022、2022 夏、2023、2023 冬、2024、2025、2025 の日程)

1 つのワールドのサーバー

2b2t: 1 つのワールドの限界を、待ち行列で受け止める

1 つのワールドで運営されているサーバーです。2016 年に動画をきっかけに人が殺到し、入場の待ち行列を導入しました。報道では、1,000 人を超える待ち行列ができたと伝えられています。

Paper の 1.12.2 のパッチの副作用で、読み込まれたチャンクを外部から判別できてしまい、プレイヤーの拠点の位置が知られる問題 (Nocom) も起きています。運営は通信の制限で対処し、2021 年に修正しました。2025 年 6 月に 1.21.4 に更新したあと、チャンクの読み込みの遅さの改善を続けています。

出典: Newsweek、Nocom の解説 (GitHub)、2b2t

1 つのワールドに大勢が集まったとき

1 つのワールドに大勢を集める試みは、どれも限界に突き当たっています。

例時期人数結果
Yogscast2011 年 8 月2,622人1 つのワールドの同時接続で Guinness 世界記録。Guinness 自身が、ほとんどプレイできない状態だったと書いている
MrBeast の企画2020 年 8 月269人 ・ 750人大勢のファンでサーバーに参加する企画。安価なサーバーは 269 人で停止し、上位のプランでも、狭い場所に全員を集めると 750 人で切断された (機材は非公開)
WorldQL Mammoth2020〜2021 年600接続超複数のサーバーで 1 つのワールドを分担する試み。約 200 人の段階で方式を変え、負荷の試験では 600 を超える接続で停止した。2023 年に開発を終了
Folia のテスト—約 330人PaperMC が、このテストのサーバーをもとに設定の目安を公開。約 300 人では、チャンクの生成はまだ遅かったとしている
Project Sid2024 年 11 月1,000体AI のエージェントの実験。1,000 体が、サーバーが不具合なく扱える上限だった

運営者たちが繰り返し述べている教訓

  • 小さく分けて、プロキシでまとめる: Hypixel は 1,500 のサーバー、Wynncraft は 50 人ごとのワールドに分けている (サーバーを分ける構成)
  • 1 つのワールドの上限を前提にする: 2b2t は待ち行列で入場を制限し、Yogscast と Project Sid の例は、限界を超えるとプレイできなくなることを示している
  • 集まるほど重い: 散らばるより 1 か所に集まるほうが重い。Folia も、プレイヤーが散らばるサーバーに向くとしている
  • 事前の準備: ワールドの事前生成と、スレッドの割り当ての調整 (1 台の性能と設定)
  • 段階を踏んで開く: ドズル社ランドは、ログインのテスト用のサーバー、プレオープン、配信者向けの日を経てから、本オープンしている
  • 用途に合わせた作り: Hypixel の独自のワールドの形式のように、大規模なサーバーは、用途に合わせて仕組みを作り直している
  • 攻撃への備えは外部に: Hypixel も Wynncraft も、DDoS 攻撃への対策に Cloudflare を使っている (Cloudflare Spectrum での保護)
  • 最適化が仕事の中心: Wynncraft の開発者は、仕事の 80% は最適化だと述べている

クリエイターの企画は、Hypixel のような常設のサーバーとは違い、決まった時間に大勢が一度に参加し、1 か所に集まることが多い形です。公開されている例から分かるのは、人数そのものより、何人が同じ場所に集まるかで、必要な構成が変わるということです。

ソフトウェアの利用の規模

サーバーのソフトウェアの利用の統計を集めている bStats によると、2026 年 10 月 25 日の時点で、Paper は 173,992 のサーバー、Velocity は 20,345 のサーバー (74,251 人) で使われています。統計の送信を有効にしているサーバーだけの数で、実際の数はこれより多くなります。

参考にした資料

大人数の企画のサーバーは、KEY SELECT に

公開されている事例と同じ考え方で、企画の人数と内容に合わせた構成を設計し、事前の負荷の確認から当日の監視まで、KEY SELECT がお引き受けできます。

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