サーバーのライセンスと公式の提供

Java 版には、公式のサーバーはあっても、大人数のサーバーを作るための公式の仕組みはありません。そのため、運営はコミュニティのソフトウェアに頼っています。
一方で、サーバーで何をしてよいかは、Mojang の EULA と Minecraft Usage Guidelines が決めています。この資料では、公式に提供されているものと、企画に関わる条件を整理します。

内容は、2026 年 10 月 25 日に minecraft.net の EULA、Minecraft Usage Guidelines、各ソフトウェアの LICENSE のファイルで確認したものです。EULA と Usage Guidelines のページには改定の日付が表示されていないため、企画の前に最新の内容を確認してください。

  • この資料は、Mojang の規約の内容を解説したもので、法的な助言をするものではありません。
  • 企画やサーバーの運営が規約と法律に合うかは、規約の準拠法と、企画を行う国・地域の法律に基づいて、弁護士に確認してください。Mojang も、個別の企画が条件に合うかの判断はしないとし、弁護士に相談するよう案内しています。

Mojang が提供しているもの

提供しているもの内容
Java 版のサーバー無料でダウンロードできる公式のサーバー (server.jar)。ゲームと同じ EULA が適用される。プラグインを入れる仕組みはない
データパックJava 版の公式のカスタマイズの方法 (1.13 から)。進捗、レシピ、ルートテーブル、ディメンション、関数などを定義できる。ゲームの処理そのものは変えられない
サーバー管理の API1.21.9 から、ホワイトリストや BAN などを外部から操作できる管理の API (管理画面とダッシュボード)
Bedrock Dedicated Server統合版の公式のサーバー。Windows と Ubuntu で動く。JavaScript で拡張できる仕組み (スクリプトの API) があるが、追加の API の多くは試験的な扱い
RealmsMojang が運営する有料のサーバー。Java 版は月 $7.99 で、同時に本人と 10 人まで
パートナーのサーバー統合版のゲームの中で紹介されるサーバー。Minecraft Partner Program への参加が必要

提供していないもの

Java 版のサーバーには、公式のプラグインの仕組み (API) がありません。2012 年に Mojang は、Bukkit の中心の開発者 4 人を雇い、新しいサーバーの API を作り、その後クライアントの Mod にも広げる計画を発表しました。Minecraft Wiki によると、最後の言及は 2015 年の「取り組んでいる」という開発者の投稿で、その後の進展はありません。中止を明言した公式の発表も見つかりません。

そのため、大人数のサーバーに必要な、プロキシ、性能の改善、プラグインの仕組みは、すべてコミュニティのソフトウェアに頼っています (Minecraft サーバーが難しい理由)。

EULA で決められていること

  • サーバーの公開: Java 版のサーバーを、サーバーに入れてオンラインでプレイできるようにしてよい
  • 同意: サーバーの初回の起動で eula.txt が作られ、eula=true にするまで起動しない
  • 配布の禁止: ゲームのソフトウェアの複製や、改変したゲームのクライアントやサーバーを配布してはいけない
  • Mod: Mojang のコードやコンテンツの大部分を含まないものを Mod とし、Mod の配布はよい。自作の Mod は作者のものだが、販売して収益を得てはいけない
  • 公式に見せない: ツール、プラグイン、サービスを作ってよいが、公式や承認されたものに見えてはいけない

Spigot が完成したファイルを配布しない (BuildTools で各自が組み立てる) のも、Paper が初回の起動で公式のサーバーを取得して差分を当てる仕組み (Paperclip) を使うのも、Mojang のコードを配布しないためです。Paperclip の README は、この方法で GPL のリンクの条項の問題を避けていると説明しています。

サーバーの収益に関する条件

Minecraft Usage Guidelines は、EULA に加えて与えられる追加の許可で、Mojang はいつでも予告なく取り消せるとしています。サーバーについての主な条件です。

項目条件
参加の条件参加できるのは、Minecraft を正規に購入した方。料金を取る場合は、入場料として示す (ゲームの外の製品を持っていることを条件にする形にはしない)
入場料取ってよい。全員に同じ料金で、支払った人は有効になっている Mod をすべて使えること。料金を取っている間は、運営者がサーバーを所有・管理していること
ゲームに影響する販売ほかのプレイヤーの体験を損なわず、競争で有利にならない範囲でよい
見た目のアイテム販売してよい。ただし、マントやマントに見えるものは不可
寄付寄付した人だけが得をする特典は不可。目標額に達したときにサーバー全体に報酬を出すのはよい
ゲーム内の通貨現実の価値を持たず、換金やほかのサーバーへの移動ができないもの
共通全年齢に向けた内容 (ギャンブルは不可)。参加の前に価格を示し、購入の履歴を提供する。NFT とブロックチェーンは使えない (2022 年 7 月)
表示「NOT AN OFFICIAL MINECRAFT [PRODUCT/SERVICE/EVENT など]. NOT APPROVED BY OR ASSOCIATED WITH MOJANG OR MICROSOFT」の表示と、運営者と連絡の方法の明記

なお、プロキシでまとめた複数のサーバーは、1 つのサーバーとして扱われます (Usage Guidelines はサーバーを「1 つの接続先」と定義しています)。

メンバーシップと連携したサーバー

YouTube のメンバーシップやファンクラブの会員の方が参加できるサーバーは、メンバーシップの料金を、Usage Guidelines が認める「サーバーへの入場料」として扱う考え方で設計します。入場料として扱う場合は、次の条件に合わせます。

  • 参加できる方の料金を同じにする: 参加に必要なメンバーシップのレベルを 1 つに決め、そのレベル以上の方が同じ条件で参加できるようにする
  • サーバーの中の扱いを同じにする: 参加した方は、サーバーで有効にしている Mod や機能を、すべて同じように使えるようにする (運営の管理のための機能は除く)
  • 運営者が管理する: メンバーシップの料金を受け取っている間は、運営者がサーバーを所有・管理する
  • 正規のアカウント: 参加できるのは、Minecraft を正規に購入した方だけにする
  • 参加の前に案内する: 必要なメンバーシップ、料金、サーバーの内容を、参加の前に示す

メンバーシップのレベルごとの特典は、サーバーの外 (動画、配信、公式サイトのメンバー限定のページなど) で分けると、サーバーの中の条件をそろえやすくなります。メンバーシップとの連携の仕組みは、メンバー限定のコンテンツで紹介しています。

企画と宣伝に関する条件

クリエイターの企画や、企業が関わる企画では、次の条件が特に関係します。

  • ゲーム内のイベント: 無料で見られ、参加できるものにする。音楽、ブランド、出演者などの権利の処理も必要。Mojang はイベントを止める権利を持つ
  • 企業の宣伝 (Constructed promotions): 企業、ブランド、広告の代理店などが、Minecraft と関係のない製品の宣伝にゲームを使うには、Mojang または Microsoft の事前の書面の承認が必要。ブランドの車の Mod、ロゴの入ったスキン、映画のキャラクターを再現したワールドなどが、承認が必要な例として挙がっている
  • 動画と配信: 広告の収益で収益化してよい。全編を無料で見られること、解説などの独自の要素を加えること、スポンサーの表示はゲームの画面の外に置くことが条件
  • 宣伝の依頼: サーバーの宣伝をインフルエンサーに依頼する場合は、関係の開示と、米国 FTC のガイドラインへの準拠を求める
  • 会場でのイベント: 参加者はおよそ 150 人まで。会場を借りて入場料を取り、出店を募るような形は認められていない。大きな規模は、パートナーシップとして相談する
  • 名前: 「Minecraft」をサーバーや企画の主な名前にしてはいけない。説明の中で使うのはよい (認められる例「Kotoba Miners: A Minecraft server for Redstone builds」)。ロゴは使えない

スポンサーが付く企画や、企業の商品と関わる企画は、企画の段階で条件を確認し、必要に応じて Mojang への承認の申請を進めます。規約と法律に合うかの最終的な判断は、準拠法と、企画を行う国・地域の法律に基づいて、弁護士に確認してください。

コミュニティのソフトウェアのライセンス

ソフトウェアライセンス
PaperGPLv3 (Bukkit、CraftBukkit、Spigot から受け継いだもの)。LICENSE.md に記された作者のコードは MIT
FoliaGPLv3 (変更の部分)
Purpur変更の部分は MIT (元の Paper のコードは GPL のまま)
VelocityGPLv3
BungeeCordBSD 型
FabricApache-2.0
NeoForge・ForgeLGPL-2.1。Forge は、Mod には Forge のライセンスが及ばないと明記
Geyser・LuckPermsMIT
sparkGPL-3.0

サーバーのソフトウェアを改変して配布する場合や、自作のプラグインを配布する場合は、元のソフトウェアのライセンスに従います。GPL のソフトウェアを改変して配布するときは、ソースコードの公開が必要になります。

ゲームのコードの名前を読み解くためのマップ (難読化のマップ) は、2019 年から公開され、2020 年からは開発に使ってよい (そのままの形での再配布は不可) という条件になりました。2025 年 10 月に Mojang は難読化そのものをやめると発表し、各 jar に EULA へのリンクの入った LICENSE のファイルを付けています。EULA と Usage Guidelines は変わらないとしています。

参考にした資料

企画とサーバーの設計の確認は、KEY SELECT に

EULA と Minecraft Usage Guidelines を踏まえた企画の進め方の整理と、ソフトウェアの選定、サーバーの設計まで、KEY SELECT がお引き受けできます。法的な判断が必要な点は、弁護士へのご相談をおすすめしています。

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