ソフトウェアのバージョンと日付は、2026 年 10 月 25 日に各公式のサイトと GitHub で確認したものです。
クライアントの Mod とサーバーの Mod
Mod には、入れる場所によって 3 つの種類があります。企画の準備では、参加する方に何を入れていただくかを、この区別で決めます。
| 種類 | 入れる | 例 |
|---|---|---|
| クライアントだけ | 参加する方の PC。サーバーには不要 | 描画を速くする Sodium、シェーダーの Iris、表示を変える Mod |
| サーバーだけ | サーバー。参加する方は入れなくてよい | Paper のプラグイン全般、サーバーの処理を軽くする Mod の一部 |
| 両方に必要 | サーバーと参加する方の PC の両方 | 新しいブロックやアイテム、モブを足す Mod。ボイスチャットの Simple Voice Chat (片方だけでも参加はできるが、機能は使えない) |
どの種類かは、Mod 自身が宣言しています。Fabric は fabric.mod.json の environment(client、server、*)、NeoForge は neoforge.mods.toml の依存の side で示します。Mod の配布サイトの Modrinth では、2025 年 8 月から、Mod のページに「クライアントだけ」「サーバーだけ」「両方」などの区分が表示されます。ただし、区分の情報が正しくない Mod もあるため、企画の前に実際に試して確かめます。
プラグインはサーバーにだけ入れるため、プラグインで作る企画では、参加する方は何も入れずに参加できます。参加する方の準備の手間とリスクを減らしたい場合は、Mod ではなくプラグインで作れないかを、まず検討します。
ランチャー
Mod を入れるには、公式のランチャーで Mod の基盤 (Fabric や NeoForge) を入れるか、Mod の管理に向いたランチャーを使います。主なランチャーです。
| 名前 | ライセンス | 特徴 (2026 年 10 月 25 日時点) | ソースコード |
|---|---|---|---|
| Minecraft Launcher | 公式 | Mojang の公式のランチャー。Mod パックの読み込みはなく、Mod の基盤はそれぞれのインストーラーで入れる | 公式サイト |
| Prism Launcher | GPL-3.0 | 起動の環境 (インスタンス) を分けて管理できる。CurseForge と Modrinth などの Mod パックを読み込める。最新は 11.1.1 (2026 年 9 月、Mod パックの読み込みの脆弱性の修正) | GitHub |
| Modrinth App | GPL-3.0 | Modrinth の公式のランチャー。.mrpack の Mod パックを扱う。最新は v0.22.0 (2026 年 10 月)。公式サイトではベータの扱い | GitHub |
| CurseForge | 非公開 | CurseForge の公式のアプリ。大型の Mod パックが多い。Overwolf を使わないものもある。広告で運営 | 公式サイト |
| ATLauncher | GPL-3.0 | 独自の Mod パックのほか、CurseForge、Modrinth、FTB の Mod パックを扱う。最新は 3.4.41.3 (2026 年 9 月) | GitHub |
| GDLauncher Carbon | BSL 1.1 | CurseForge と Modrinth をまとめて検索できる。ソースコードは公開されているが、オープンソースのライセンスではない (公開から 4 年で GPL-3.0 に変わる)。以前の GDLauncher は開発を終えている | GitHub |
| MultiMC | Apache-2.0 | インスタンスの管理の元祖。Prism Launcher はこの系統。名前とロゴは別に扱いが決められている。GitHub の最後の正式なリリースは 2021 年で、以降は公式サイトで開発版を配布 | GitHub |
どのランチャーでも、Java 版を購入した Microsoft のアカウントでのログインが必要です。2023 年 9 月で Mojang のアカウントからの移行の受け付けは終わり、移行していないアカウントではログインできません。
ランチャーにも分裂の歴史がある
Prism Launcher は、PolyMC から分かれたものです。2022 年 10 月に PolyMC の所有者が、ほかの開発者を外し、行動規範を削除したため、開発者たちがフォークして Prism Launcher を始めました。Linux の配布の NixOS も、PolyMC のパッケージを Prism Launcher に置き換えています。ランチャーも、開発の体制が変わることがあるため、今の状況を確かめて選びます。
購入したアカウントなしでプレイできるランチャー
TLauncher など、購入したアカウントなしでプレイできるランチャーは、Minecraft の利用規約に反します。セキュリティ企業の Malwarebytes は、TLauncher を望ましくないプログラム (PUP) として検知しています。また、こうしたアカウントでは、通常の設定 (online-mode) のサーバーには参加できません。企画では、正規のアカウントとランチャーを使っていただくよう案内します。
選ぶ前に、最新の情報を確認する
ランチャーは、開発の体制や配布の形が変わることがあります。選ぶときは、次の点を、その時点の公式の情報で確認します。
- 開発が続いているか: 以前の GDLauncher のように、開発を終え、後継 (GDLauncher Carbon) に移ったものもある
- ライセンス: オープンソースか、ソースコードの公開だけか (GDLauncher Carbon は BSL 1.1)
- 更新: ランチャーにも脆弱性が見つかることがある (Prism Launcher は 2026 年 9 月に、Mod パックの読み込みの脆弱性を修正)。最新のバージョンに保つ
- アカウント: Java 版を購入した Microsoft のアカウントでログインするものを選ぶ
Mod パックの配り方
企画で使う Mod を 1 つずつ入れていただくと、バージョンの違いや入れ忘れが起きます。Mod と設定をまとめた Mod パックにして配ります。
- Modrinth の形式 (.mrpack): Mod のファイルごとに SHA1 と SHA512 のハッシュを持ち、ランチャーが入手したファイルを照合する。クライアントだけ・サーバーだけの区分も持てる。Modrinth で公開する Mod パックは、ダウンロード元が Modrinth の CDN と GitHub、GitLab に限られる
- CurseForge の形式:
manifest.jsonと設定のファイル。Prism Launcher、Modrinth App などでも読み込める - 公開の範囲: Modrinth では、一覧に出さない・非公開の Mod パックにすることを申請できる。少人数なら、.mrpack のファイルを直接渡す方法もある
- 更新の管理: packwiz を使うと、Mod パックをテキストのファイルで管理し、参加する方のランチャーに更新を自動で反映できる
ファイルを直接渡す場合、CurseForge は「友人から送られた Mod パックのファイルは検査も確認もできない」と注意しています。運営する側は、配布元を 1 つに決め、ファイルのハッシュを公開して、参加する方が確かめられるようにします。
非公式の配布サイト
Mod を作者に無断で転載するサイトが、検索の上位に出ることがあります。古いバージョンや改変されたバージョン、広告やマルウェアへの誘導が含まれることがあります。
- Mod は、Modrinth、CurseForge、作者の GitHub など、作者が公開している場所からだけ入れる
- Modrinth の規約は、作者の許可のない再アップロードを禁じている
- 転載のサイトの一覧をまとめていた StopModReposts は、現在は保守されていない (一覧の最後の更新は 2024 年 3 月)。一覧にないから安全とは言えない
- CurseForge は、公式のページから入れること、Discord の DM で送られた ZIP を開かないことを呼びかけている (2026 年 5 月)
実際に起きた事案
配布サイトの作者のアカウントの乗っ取り
fractureiser: 人気の Mod とプラグインの更新にマルウェア
CurseForge と BukkitDev の作者のアカウントが乗っ取られ、Mod とプラグインの更新にマルウェアが仕込まれました。感染すると、PC の中のほかの Mod のファイルにも広がり、ブラウザ、Discord、Microsoft と Minecraft のアカウントの情報を盗みます。CurseForge は、感染したファイルのダウンロードを約 6,500 回と報告しています。
Modrinth の報告
Mod を装って、ログインの情報を盗む
Modrinth に公開された「Windows Borderless」という Mod が、ログインの情報やトークンを盗むマルウェアでした。約 372 回ダウンロードされ、同じ日に削除されています。
出典: Modrinth
Check Point の報告
GitHub で配られた偽の Mod が、Minecraft のセッションを盗む
GitHub で、Hypixel SkyBlock の便利な道具を装った偽の Forge の Mod が配られていました。Minecraft のログインのセッション、ほかのクライアント (Lunar、Feather、Essential) のアカウントのファイル、Discord のトークンを盗みます。
McAfee の報告
偽の Mod とクライアントを、YouTube や偽のサイトで広める
偽の Mod やクライアントを、YouTube の動画、検索、偽のサイトで広め、セッションを盗んで PC を遠隔で操作できるようにする攻撃が、サービスとして売られていました。McAfee は 3,820 の不正な JAR ファイルを確認したと報告しています。
出典: McAfee Labs
参加する方の PC とアカウントを守る
Mod の入れ方
- Mod は、運営が案内した配布元か、Modrinth・CurseForge の公式のページからだけ入れる。運営を名乗る DM や、案内と違う場所で配られた Mod パックは使わない
- 運営が配った Mod パックでも、安全が保証されるわけではない。中の Mod の更新にマルウェアが仕込まれた事案 (fractureiser) では、正規の配布元から入手した方も被害を受けた。ウイルス対策を有効にしたまま使う
- ランチャーで、企画のための専用のインスタンス (Mod と設定を入れる場所) を作り、普段プレイしている環境と分ける。ただし、同じ PC の中のため、マルウェアは防げない。できれば、配信や仕事に使う PC とは別の PC を使う
- ランチャーは、Modrinth や CurseForge の公式の仕組みから Mod を取得するものを使い、最新に保つ
- Discord の DM などで送られてきた「試してほしい Mod やゲーム」は開かない。友人から送られてきたものも、友人のアカウントが乗っ取られていることがあるため、安易に試さない
- チートツールは使わない。サーバーのルールで禁止されていることが多いうえ、チートや非公式のクライアントを装って、アカウントの情報を盗むマルウェアが配られている
アカウント
- Microsoft のアカウントに、2 段階認証とパスキーを設定する
- ただし、PC がマルウェアに感染して、ログインのセッションを盗まれると、2 段階認証は役に立たない。感染が疑われるときは、先に PC を初期化し、別の端末から Microsoft のアカウントのパスワードを変えて、すべての端末からサインアウトする
知らない Mod を確かめるとき
- 配信や仕事に使う PC では試さない
- fractureiser には、Windows のサンドボックスから抜け出すコードが含まれていた。確かめる場合は、クリップボードの共有を切った仮想マシンを使う
- fractureiser の検知には、CurseForge (Overwolf) が公開している検査のツールが使える
Mod パックを作るときに気をつけること
Mod パックを配ると、参加する方は、主催者を信頼して中の Mod を PC に入れます。主催者が配ったものでも安全とは限らないため、作る側が、中身と配り方に責任を持ちます。
Mod を選ぶ
- 入手元は、Modrinth・CurseForge の Mod のページか、作者の公式の GitHub のリリースに限る。転載のサイトや、Discord で回ってきたファイルは使わない
- 作者と配布元が正しいか、似た名前の別の Mod ではないかを確かめる
- 更新の内容と時期に不自然な点がないかを見る。長く更新のなかった Mod の突然の更新や、作者の交代の直後の更新は、少し待ってから取り込む
- 企画に必要な Mod だけを入れる。Mod が増えるほど、確かめる範囲と、問題が起きる可能性が増える
- Mod のファイルを Mod パックに直接入れて配る場合は、Mod のライセンスと、作者が再配布を認めているかを確かめる
バージョンを選び、固定して、記録する
- Mod は、不具合や脆弱性の修正を取り込むため、できるだけ最新のバージョンを使う。ただし、最新のバージョンは、Minecraft のバージョン、Mod の基盤 (Fabric、NeoForge など)、前提の Mod、ほかの Mod との互換性に問題が出ることがある。検証用の環境で互換性を確かめたうえで、バージョンを上げる
- 使う Mod、バージョン、入手元、ハッシュを一覧にする。.mrpack は、Mod のファイルごとにハッシュを持つ
- 企画の期間中は、Mod を自動で最新にしない。fractureiser のように、正規の配布元の更新にマルウェアが入ることがある
- 更新は検証用の環境で試し、一覧を更新してから、Mod パックに反映する。Mod パックにもバージョンの番号を付け、変更の内容を参加する方に知らせる
中身を確かめる
- Mod のファイルを、ウイルス対策と、Mod 向けの検査のツール (jNeedle など。脆弱性の情報) で検査する
- 配る前に、普段使っていない環境で、Mod パックを新しく読み込んで起動を確かめる
余計なファイルを入れない
- 自分のインスタンスから書き出すと、ログ、クラッシュの記録、スクリーンショット、ワールド、サーバーの一覧 (
servers.dat) まで含まれることがある。書き出すファイルを選び、Mod と、必要な設定のファイルだけにする - ログやクラッシュの記録には、PC のユーザー名を含むファイルの場所や、参加したサーバーのアドレスが残る
- 実行のファイル (.exe、.bat など) や、Mod 以外の .jar を入れない。参加する方にも、そうしたファイルが入った Mod パックは開かないよう案内する
配り方と、主催者のアカウント
- 配布元を 1 つに決め、公式の告知 (サイト、X、Discord のお知らせのチャンネル) で案内する。それ以外の場所や DM では配らないことも伝える
- ファイルを直接渡す場合は、ハッシュを公開して、参加する方が確かめられるようにする
- Modrinth、CurseForge、Discord、GitHub など、Mod パックを配るアカウントに、2 段階認証を設定する。主催者のアカウントが乗っ取られると、そこからマルウェアを配られる
- Mod パックの作成と更新を委託する場合は、委託先の作業の範囲と、配布のアカウントの権限を決めておく
参加する方への案内と、当日の対応
- ランチャーの入れ方、Mod パックの読み込み方、困ったときの連絡先を用意する (安全にマイクラでプレイするためのチェックリスト)
- 当日のトラブル (起動しない、参加できない) に対応する運営スタッフを決めておく
- 問題のある Mod が見つかったときに、参加する方への告知方法と、差し替えの手順を決めておく
参考にした資料
- Project structure (Fabric)
- Mod files (NeoForge)
- New environments (Modrinth、2025 年 8 月)
- Modrinth Modpack format (Modrinth)
- Sharing modpacks (Modrinth)
- packwiz
- Account migration last call (minecraft.net)
- FAQ (Prism Launcher)
- GDLauncher と GDLauncher Carbon (GDLauncher)
- PUP.Optional.TLauncher (Malwarebytes)
- Content Rules (Modrinth)
- Stay Safe (CurseForge、2026 年 5 月)
- Our mod approval process (CurseForge)
- jar-infection-scanner (GitHub)
- パスキーの作成 (Microsoft サポート)
Mod の企画の準備は、KEY SELECT に
Mod の選定と安全の確認、参加する方に配る Mod パックの作成、導入の手順の案内、当日のトラブルの対応まで、KEY SELECT がお引き受けできます。
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