攻撃と侵入の事例

Minecraft のサーバーは、人気の実況者の企画から大規模なサーバーまで、侵入、荒らし、DDoS 攻撃の標的になってきました。インターネットに公開しているサーバーを自動で探し、入り込む仕組みも使われています。
この資料では、国内と海外の事例を、種類ごとに日付と出典付きで紹介し、それぞれから分かる対策をまとめます。

事例は、本人の公表、報道、セキュリティ企業や公的機関の発表で確認できたものだけを載せています (2026 年 10 月 25 日時点)。原因が公表されていないものは、推測を書いていません。

侵入と荒らし

国内事案・KUN さん (50 人クラフト)

ハッキングで、「HUB 鯖」以外の企画のデータのほぼすべてを失う

人気実況者の KUN さんは、2026 年 5 月 26 日に公開した動画「ハッキングされてサーバーが破壊されました」で、企画のサーバーが不正にアクセスされ、「HUB 鯖」を除く企画のデータのほぼすべてが消えたことを公表しました。KUN さんは、これはネタやギャグではなく、通常の犯罪行為だと強く述べています。

出典: KUN さんの動画 (2026 年 5 月 26 日)

国内事案・ホロライブ (#ホロクラダイヤ発掘隊)

VTuber の企画の配信中に、参加者ではないプレイヤーが入る

ホロライブの企画「#ホロクラダイヤ発掘隊」の初日の配信中に、参加者ではないプレイヤーがサーバーに入りました。主催の白上フブキさんがその場でサーバーを閉じています。

出典: 白上フブキさんの配信のアーカイブ (2025 年 1 月 7 日)、輪堂千速さんの配信のアーカイブ (2025 年 1 月 7 日)

国内事案・KUN さん (50 人クラフト)

設定の不備を突かれて権限を昇格され、企画のサーバーが荒らされる

人気実況者の KUN さんは、2024 年 2 月 20 日に公開した動画で、企画のサーバーが荒らされ、破壊されたことを公表しました。動画によると、サーバーの設定の不備を突かれ、参加者が本来は持たない管理の権限を得て (権限の昇格)、サーバーを荒らしました。参加者に渡す権限と、権限を変えられる仕組みの設定を確かめることの大切さを示す事案です (荒らしとその対策)。

出典: KUN の 50 人クラフトの動画 (2024 年 2 月 20 日)

国内事案・KUN さん (50 人クラフト)

企画の開始の直前に、不正なユーザーに侵入され、サーバーを荒らされる

人気実況者の KUN さんは、2022 年 4 月 12 日に公開した動画「50人クラフト3期開始しようとしたらガチの海外ハッカーに全てを破壊されました」で、企画の第 3 期を始めようとしたところ、海外からの不正なユーザーにサーバーへ侵入され、荒らされたことを公表しました。

出典: KUN さんの動画 (2022 年 4 月 12 日)

国内事案・ドズル社

実況のワールドに許可なく入られ、荒らされる

人気実況グループのドズル社は、2020 年 4 月 2 日に公開した動画「【マイクラ】ワールドに勝手に侵入されてめちゃくちゃにされました…」で、実況のシリーズのワールドに許可していない人が入り、荒らされたことを公開しました。

出典: ドズル社の動画 (2020 年 4 月 2 日)

海外事案

賞金付きの配信者の大会が、侵入で中止になる

配信者が競う大会 Minecraft Monday の最中にサーバーへ侵入され、会場のアリーナが消えて試合が中止になりました。主催者は、サーバーがハッキングされたと認めて謝罪しています。侵入の手口は確認されていません。

出典: Dexerto

公開のサーバーを自動で探す仕組み

海外事案

インターネット全体を探し、ホワイトリストのないサーバーに入り込む

荒らしの集団 Fifth Column のメンバーは、2022 年 9 月に、ホワイトリストのない公開のサーバーを探す仕組み「Copenheimer」を自分たちで作ったと明かしました。研究者は、インターネット全体を調べる道具で Minecraft のサーバーを探す手法と、おとりのサーバーに Copenheimer の利用者が参加した記録を公開しています。研究者は、荒らしの集団の多くが独自の探索の仕組みを使っているとし、対策として、ホワイトリスト、正規のアカウントの確認 (online-mode)、バックアップを挙げています。

出典: 当事者の投稿 (Hacker News、2022 年 9 月)、研究者のブログ (2022 年 9 月)、matscan の FAQ (2023 年 5 月)

サーバーのアドレスを知られていなくても、公開している限り、自動の探索で見つけられます。参加できる人を限るホワイトリストと、正規のアカウントの確認は、公開のサーバーの前提です。26.3 からは、新しく作るサーバーでホワイトリストが最初から有効になりましたが、以前から使っているサーバーは、設定ファイルの値を確かめる必要があります。

DDoS 攻撃

海外事案

大規模なボットネット Mirai の作者たちが有罪に

2016 年に大規模な DDoS 攻撃を起こしたボットネット Mirai の作者 3 人が、米国で有罪を認め、2018 年に判決を受けました。報道によると、Mirai は Minecraft のサーバーへの攻撃から始まったとされています。

出典: 米国司法省 (2017 年 12 月)、Krebs on Security

海外事案

配信者の大会の最中に、国のインターネットが止まる

約 150 人の配信者が参加した Twitch Rivals の Minecraft の大会の最中に、アンドラの唯一の通信事業者が DDoS 攻撃を受け、国内のインターネットが約 30 分止まりました。アンドラから参加していた配信者は、大会を続けられなくなりました。

出典: GIGAZINE (2022 年 1 月 25 日)

海外事案

Wynncraft への 2.5 Tbps の攻撃を、Cloudflare が防ぐ

Minecraft の大規模なサーバー Wynncraft が、Mirai の亜種による 2.5 Tbps の攻撃を受けました。当時 Cloudflare が観測した中で最大の規模でしたが、Cloudflare Spectrum が防ぎ、サーバーへの影響はありませんでした。

出典: Cloudflare (2022 年 10 月)

Microsoft の報告

非公開のサーバーを狙うボットネット MCCrash

Microsoft は、非公開の Java 版のサーバーを狙うボットネット MCCrash を報告しました。細工した長いユーザー名を送り、サーバーを止めます。1.7.2 から 1.18.2 が影響を受け、Microsoft は 1.19.1 以降への更新を勧めています。

出典: Microsoft Security Blog (2022 年 12 月 15 日)

海外事案

Minecraft のサーバーへの、毎秒 31.5 億パケットの攻撃

PvP のサーバー Minemen Club が、公開された中で最大のパケットの量の攻撃を受けました。DDoS の対策の会社が自動で防いでいます。

出典: Global Secure Layer、AUTOMATON (2024 年 8 月 30 日)

海外事案

5 万のサーバーを守る対策サービスが、毎秒 15 テラビット超の攻撃を受ける

5 万以上の Minecraft のサーバーを守る DDoS の対策サービス TCPShield が、ボットネット Aisuru による毎秒 15 テラビットを超える攻撃を受けました。その後、上流の事業者が TCPShield との契約を打ち切っています。

出典: Krebs on Security (2025 年 10 月 10 日)

DDoS 攻撃は、サーバーの側だけでは防げません。TCP と UDP に対応した対策のサービスを前に置くことが欠かせません (Cloudflare Spectrum での保護)。対策のサービスそのものが狙われることもあるため、サービスの選定と、止まったときの代わりの手段も考えておきます。

脆弱性の悪用

Microsoft の報告

Log4Shell で、サーバーからランサムウェアが配られる

Log4Shell の公表の直後、Microsoft は、Mod を使うサーバーを通じてランサムウェア (Khonsari) が配られた事例と、接続したクライアントで認証の情報が盗まれた事例を確認しました。Mojang は 1.18.1 などで修正しています。

出典: Microsoft Security Blog (2021 年 12 月)

海外事案

BleedingPipe: 脆弱な Mod を入れたサーバーを探して乗っ取る

Forge の Mod の脆弱性 (BleedingPipe) を悪用して、攻撃者はインターネット全体から脆弱なサーバーを探して乗っ取り、そのサーバーを通じて参加したプレイヤーの Discord などのセッションの情報を盗みました。最初の悪用は 2022 年 3 月とされています。

出典: BleepingComputer (2023 年 7 月 31 日)

脆弱性の詳しい内容と対策は、脆弱性の情報でまとめています。

乗っ取り

国内事案・kouta神 さん

実況者の Minecraft のアカウントが乗っ取られる

実況者の kouta神 さん (Minecraft の名前は GOD_koutan) は、2026 年 6 月 2 日の動画で、10 年以上使ってきたアカウントが乗っ取られ、名前と Hypixel の YT ランクを失ったことを公表しました (安全にサーバーでプレイするために)。

出典: 本人の動画 (2026 年 6 月 2 日)

国内事案・SyuuNet (Nemu Studio 合同会社)

大規模なサーバーの運営者のアカウントが乗っ取られる

SyuuNet を運営する Nemu Studio 合同会社は、代表のアカウントが不正アクセスで乗っ取られ、対応を優先して宣伝に手が回らなくなったと発表しています。

出典: PR TIMES (2026 年 1 月 2 日)

海外事案

Mod の配布元の開発者のアカウントが乗っ取られる (fractureiser)

CurseForge と Bukkit の開発者のアカウントが乗っ取られ、Mod とプラグインの更新にマルウェアが仕込まれました。2 段階認証を設定していたアカウントも被害を受け、ダウンロードが 460 万を超える Mod パックも対象になりました。

出典: BleepingComputer (2023 年 6 月 7 日)、GIGAZINE (2023 年 6 月 8 日)

McAfee の報告

チートや非公式のクライアントを装うマルウェアに、11.6 万台が感染

チートや非公式のクライアントに見せかけて配られた情報を盗むマルウェア (WeedHack) に、11.6 万台を超える PC が感染しました。Minecraft のセッションを盗めるため、パスワードがなくてもアカウントを乗っ取れます。

出典: BleepingComputer (2026 年 6 月 2 日)

情報の漏えい

Minecraft のサーバーやホスティングのサービスから、利用者の情報が漏れた事例です。いずれも、漏えいの情報を確認して公開している Have I Been Pwned に登録されています。

名前時期件数内容
Lifeboat2016 年 1 月709万件統合版の前身のサーバー。パスワードは弱い方式で保存され、運営は約 3 か月、利用者に知らせなかった
Leet.cc2016 年508万件サーバーのホスティングのサービス
CraftRise2022 年 3 月253万件パスワードが暗号化されずに保存されていた
Aternos2015 年 12 月143万件無料のサーバーのホスティング。ユーザー名、メールアドレス、IP アドレスなど
Shotbow2016 年 5 月105万件運営が自ら公表
Minehut2019 年 5 月39.7万件データベースのバックアップを持ち出され、運営が全員に知らせた

漏えいに気付いたら、利用者にすぐに知らせることが大切です。日本では、条件によって、個人情報保護委員会への報告と本人への通知も必要です (参加者の個人情報の扱い)。

事例から分かる対策

  • ホワイトリストと正規のアカウントの確認を有効にする: 公開のサーバーは、自動の探索で必ず見つかる前提で守る
  • サーバーのアドレスと、バックエンドサーバー (プロキシの先で、ワールドを動かすサーバー) を隠す: 配信に映さない。バックエンドサーバーは直接接続できないようにする (プロキシサーバー)
  • DDoS の対策のサービスを前に置く: サーバーの側だけでは防げない
  • サーバーと Mod をすぐに更新する: Log4Shell、MCCrash、BleedingPipe は、更新で防げた
  • Mod は正規の配布元から入れ、配布元も乗っ取られうる前提で確かめる(Mod とクライアントの安全)
  • バックアップを取り、戻す練習をする: 破壊されても、企画を続けられる (バックアップの取り方)
  • アカウントを守る: 運営者と出演者のアカウントは、2 段階認証やパスキーで守り、認証のコードを誰にも伝えない

参考にした資料

サーバーの守りの見直しは、KEY SELECT に

ホワイトリストとアカウントの確認、バックエンドサーバーの隠し方、DDoS の対策、更新とバックアップまで、事例を踏まえて今のサーバーを見直し、KEY SELECT がお引き受けできます。

  • 記事や技術資料の内容についてのご質問とサポートは、保守・サポートのご契約、またはスポットでのご契約をいただいたうえでお受けしています。無償でのサポートは行っておりません。
  • 記事や技術資料の内容は、公開の時点の情報にもとづいて作成しています。内容の正確性、完全性、最新性を保証するものではなく、内容にもとづいて行った作業の結果について、弊社は責任を負いかねます。設定や変更は、ご自身の責任で、検証用の環境で確かめてから行ってください。
  • 記事や技術資料の内容について、ご指摘や誤りにお気づきの点がありましたら、その他のお問い合わせからお知らせください。
  • 技術資料の内容は、引用元として資料の名前と URL を明記していただければ、ご自身の動画や資料としてご利用いただけます。全文の Web サイトでの引用はご遠慮ください。

ご相談・お問い合わせ

内容が固まっていない段階からご相談いただけます。各分野のプロフェッショナルがご対応いたします。ご相談・お見積もりは無料です。